今この場所が戦場に
2001年9月25日___が、攻めて来る。
今日は戦車が一台。
丸腰の女や子供、一般の人を殺すため。
なのに何百人も、何千人も殺す兵器。
私たちは逃げる場所を探そうと必死に
この場所の地形を考えた。
砂地にできた小さな洞窟と、岩に縦型に
掘られたシェルターが、ある。
近いのは砂地の洞窟!
人々をかきわけて家族の手を引き、なりふりも
かまわないで走ると、後ろから戦車が現れた。
黒い機体に、ものものしい砲台がとりつけられている。
私は身近に迫った死か生かの運命に身体を震わせた。
もしかして。
砲撃にあったら砂地の洞窟なんて崩れて
しまうんじゃあないだろうか。
今まで、逃げる場所を誤って命を失う
人々の話を何度も聞いた。
母の手を引き、もろく崩れかけた砂と
泥を蹴って走る。
崩れかける地面を、素足の指で
つかむようにしながら。
叫んで、家族がついてきていることを
確認しながらシェルターに向かう。
こんなとき、他の人のことなんて
考えられないんだと実感した。
自分と家族を守ることで精一杯で。
今助けたいのは家族だけなんだ。
シェルターの上に乗っている、重くてごつごつした
石をどけると蓋に手をかける。
後ろで人が叫んでいる。
やっと蓋を持ち上げ、中に飛び込むと剥き出しの
岩が張り出している。
どんどん、人が飛び込むようになだれ込んできた。
自分の場所を確保して、ひんやりとしたそれに頬を
押し付け息を潜める。
痛むように心臓が鳴り響き、喉を焦がすような思い息を吐いた。
瞬間。
耳を突き破るような爆音と、びりびりとした振動が身体に響いた。
嫌だ、嫌だ!
この場所はあの人たちに見つかったりしないだろうか。
入り口をこじ開けられて、銃弾を打ち込まれたりしないだろうか!
今頃地面は焼け焦げているのだろうか。
ただ必死で声を殺すことしか出来なくて、
血が流れるのも構わず岩に爪を立てた。
痛み。
指よりも、心が血を流しているようだった。
じりじりと焦げる様にどす黒い血を流す、心。
誰でもいいの、助けて。
こんな恐怖はもういらない。
恐怖なんて存在しない、安心できる場所が欲しい。
今日は戦車が一台。
丸腰の女や子供、一般の人を殺すため。
なのに何百人も、何千人も殺す兵器。
私たちは逃げる場所を探そうと必死に
この場所の地形を考えた。
砂地にできた小さな洞窟と、岩に縦型に
掘られたシェルターが、ある。
近いのは砂地の洞窟!
人々をかきわけて家族の手を引き、なりふりも
かまわないで走ると、後ろから戦車が現れた。
黒い機体に、ものものしい砲台がとりつけられている。
私は身近に迫った死か生かの運命に身体を震わせた。
もしかして。
砲撃にあったら砂地の洞窟なんて崩れて
しまうんじゃあないだろうか。
今まで、逃げる場所を誤って命を失う
人々の話を何度も聞いた。
母の手を引き、もろく崩れかけた砂と
泥を蹴って走る。
崩れかける地面を、素足の指で
つかむようにしながら。
叫んで、家族がついてきていることを
確認しながらシェルターに向かう。
こんなとき、他の人のことなんて
考えられないんだと実感した。
自分と家族を守ることで精一杯で。
今助けたいのは家族だけなんだ。
シェルターの上に乗っている、重くてごつごつした
石をどけると蓋に手をかける。
後ろで人が叫んでいる。
やっと蓋を持ち上げ、中に飛び込むと剥き出しの
岩が張り出している。
どんどん、人が飛び込むようになだれ込んできた。
自分の場所を確保して、ひんやりとしたそれに頬を
押し付け息を潜める。
痛むように心臓が鳴り響き、喉を焦がすような思い息を吐いた。
瞬間。
耳を突き破るような爆音と、びりびりとした振動が身体に響いた。
嫌だ、嫌だ!
この場所はあの人たちに見つかったりしないだろうか。
入り口をこじ開けられて、銃弾を打ち込まれたりしないだろうか!
今頃地面は焼け焦げているのだろうか。
ただ必死で声を殺すことしか出来なくて、
血が流れるのも構わず岩に爪を立てた。
痛み。
指よりも、心が血を流しているようだった。
じりじりと焦げる様にどす黒い血を流す、心。
誰でもいいの、助けて。
こんな恐怖はもういらない。
恐怖なんて存在しない、安心できる場所が欲しい。
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